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歯周病治療

歯周病

歯周病は歯槽膿漏(しそうのうろう)などと言われることがありますが、実態は「(顎の)骨が溶ける」病気です。
初期段階ではほとんど症状が現れないため、自分では気づかないうちに進行してしまうことが多くあります。痛みや腫れ、出血などの異変に気づいたときには、すでに重度になっているケースも少なくありません。今自分の歯周組織がどのような状態か、検査やクリーニングを受けるだけでなく管理方法について適切に情報提供を受けましょう。
歯を失うリスクを減らすためには、歯周病の予防とともに、できるだけ早い段階で異常を発見し、治療を始めることが大切です。
症状が出てからでは手遅れになることもあるため、定期的なメインテナンスで口腔内の健康を維持することをおすすめします。早期であれば、比較的簡単な処置で改善を目指すことが可能です。

こんな症状があったら注意

以下のような症状に心当たりはありませんか?

  • 歯ぐきから出血することがある
  • 歯ぐきが赤く腫れている
  • 歯ぐきがブヨブヨして引き締まっていない
  • 硬いものを噛むと痛みを感じる
  • 冷たいものがしみることがある
  • 朝起きたときに口の中がネバつく
  • 口臭が気になるようになった
  • 歯がグラつく、違和感がある
  • 食べ物が歯と歯の間に詰まりやすくなった

これらの症状がある場合、歯周病がすでに進行している可能性があります。気になる症状がある方は、お早めに当院までご相談ください。
また、症状がない方でも歯周病の予防はとても大切です。歯周病の年齢的な曲がり角は30歳前後です。溶けた(顎の)骨は基本的に戻ってきません。
歯周病にならない、なりにくい日々の習慣を身につけていただくことが何よりお得です。
あなたにはあなたの特徴に合わせたケアが必要です。持続可能で効果的な方法をアドバイスさせていだきますので気負わずご相談ください。

歯周病になりやすい人の特徴

セルフケアが不十分

歯周病の原因は歯周病を起こす細菌です。
一般的には「歯垢(プラーク)」と呼ばれ、白いもやもやとして目でも見ることができます。
これは食べかすではなく細菌がより集まったものです。私たちが食べたものをエネルギーにどんどん増殖していきます。
特に就寝中は唾液の分泌量が減ってお口の中が乾燥し、細菌が活動しやすい環境になります。
夕食後や就寝前のセルフケアを怠ることは、歯周病の発症や悪化を招く大きな要因です。

歯並びが悪い

歯並びが乱れていると、歯と歯の重なりや隙間に汚れが残りやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
特に八重歯のように歯列から飛び出した歯は、歯の根元や歯と歯の間に汚れが溜まりやすく、歯周病が進行しやすい部位です。

甘いお菓子を頻繁に食べる

糖分は歯垢(プラーク)の栄養源となり、細菌の繁殖を助けます。
甘いお菓子やジュースを日常的に口にする人は、歯周病のリスクが高くなります。
さらに、やわらかい食べ物ばかりを好むと咀嚼回数が減り、唾液の分泌量が減少して口内の自浄作用が低下します。
特にクッキーやチョコレート、飴、キャラメルなどは歯に残りやすいため、摂取するタイミングや頻度の決まりを作り、だらだらと摂り続けない工夫が必要です。

喫煙習慣がある
(歯周病において最もタチの悪い習慣です。)

タバコ(紙たばこ、加熱式)は身体に良くないことは誰しもご存知だと思われますが、その重みは歯周病において他のどんな要素よりも格段に大きいです。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べて歯周病の発症や進行を早め、より早く多く歯を失うという報告があります。ニコチンや一酸化炭素は歯ぐきの血流を妨げ、免疫力を低下させます。
また、タールによる着色汚れは歯の表面にねばつきを作り、歯垢が付着しやすい状態を生み出します。加えてタチが悪いのは、「歯周病の病状を隠す効果」と、「治療への反応が悪くなること」です。
もう長年吸っているからいまさら、、、とおっしゃる方もいらっしゃいますが、禁煙を達成することで歯周組織は吸っていた期間が長くても何倍も早く回復していきます。
私たちは禁煙を望む方を全力で応援します。

口呼吸の習慣がある

口で呼吸する癖があると口内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。
無意識に口を開けたままになる「ポカン口」も同様で、歯周病のリスクを高めます。

持病などがある人

糖尿病の方は、免疫力が低下しやすく歯周病の発症リスクが高まります。血糖値が高い状態では唾液の分泌量も減少し、口内が乾燥して炎症が悪化しやすくなります。
また、高血圧や骨粗しょう症、てんかんなどの持病で服用する薬には、歯ぐきの腫れや出血を招く副作用を持つものがあり、プラークの付着を助長して歯周病を進行させる原因となります。
このように、持病や服薬の影響は口内環境にも大きく関わるため、全身と口の健康を同時に意識したケアが重要です。
歯周病を治療しても糖尿病を治療してもどちらの症状も改善するため前向きに取り組んでいきましょう。

ストレスがある

精神的なストレスは、歯周病の発症や悪化に関わる要因の一つです。ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、唾液の分泌量が減少して口内が乾燥しやすくなります。
また、免疫機能も低下するため、歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。
さらに、長期間ストレスが続くと無意識のうちに食いしばりや歯ぎしりをしてしまい、歯や歯ぐきに過剰な負担をかけて症状を進行させる可能性があります。

妊娠中

妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯周病のリスクが高まります。妊娠期にだけ増えやすい細菌の存在、つわりや体調変化に伴いセルフケアが適切に行えなくなることも大きく影響します。
歯周病が進行すると早産や低体重児出産のリスクに関わる可能性も指摘されています。妊娠をお考えの方はまずご自身の歯周病の状況を知り、適切なケアの方法を身につけておくことが大切です。

歯周病を放置してしまうと・・?

歯周病は自然に治ることはなく、治療しなければ確実に進行します。初期は歯ぐきの赤みや出血が見られる程度ですが、やがて腫れやぶよぶよとした質感、かゆみなどが現れます。さらに悪化すると強い口臭が生じ、人前で話すことに抵抗を感じるほどになることもあります。
進行が進むと歯がぐらつき始め、最終的には抜け落ちる危険があります。
また、炎症は1本の歯にとどまらず、周囲にも広がって複数の歯を失うケースも少なくありません。歯を失うことで噛み合わせが崩れ、むし歯や歯周病の再発リスクが高まるだけでなく、顎まわりの筋肉バランスが乱れ、頭痛や肩こりなど全身の不調につながることもあります。

歯周病が進行すると全身の健康にも影響を及ぼします

歯周病が進行すると全身の健康にも影響を及ぼします

歯周病は口内だけの病気と思われがちですが、進行すると全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。慢性的な歯周病は、体が常に炎症と戦っている状態をつくり出します。その結果、免疫力が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなるほか、糖尿病などの全身疾患のリスクも高まります。
飲食の際に歯周病菌が腸へ届くと、悪玉菌が増殖して腸内バランスが崩れます。これにより、便秘や下痢、さらには肌荒れといった症状が現れやすくなります。

歯ぐきが下がってきたと感じている方へ

美しい笑顔をつくるためには、白く整った歯だけでなく、歯ぐきの色や形のバランスも欠かせません。たとえ高品質なセラミックで歯を修復していても、歯ぐきが下がって歯が長く見えたり、左右のラインが不揃いだったり、笑ったときに歯ぐきが大きく見えたりすると、全体の印象は損なわれます。
歯と歯ぐきが調和してはじめて、自然で健康的な口元が完成します。
また、見た目だけでなく、歯周病予防の観点からも歯ぐきの健康は重要です。
当院では、こうしたお悩みに対応できる歯周形成外科の治療も行っています。
大人になってから歯そのものが伸びることはほとんどありません。歯が長く見える主な理由は、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」です。歯ぐきが下がると歯の根元が露出し、見た目の長さが増すだけでなく、歯間の隙間が広がって食べ物が詰まりやすくなります。さらに進行すると、知覚過敏や審美面での問題に加え、歯周病のリスクも高まります。放置せず、早めに歯科での診察と適切な処置を受けることが大切です。

こんな症状がある方は要注意

  • 歯が以前より長く見えるようになった
  • 歯と歯のあいだにすき間ができて、食べ物が詰まりやすくなった
  • 冷たいものや風がしみる(知覚過敏がある)
  • 歯の根元が見えてきている気がする
  • 歯ぐきのラインが左右で不揃いに見える
  • 笑ったときに歯ぐきが目立つのが気になる
  • 歯ぐきの色が黒ずんでいたり、不健康に見える
  • 歯ブラシの刺激で歯ぐきが痛い、またはよく出血する
  • 加齢や過去の矯正治療で歯ぐきが下がってきた気がする
  • 歯の見た目に違和感があるけれど、どこに相談すればいいかわからない

歯周病の治療法

歯周病は、歯肉炎 → 軽度歯周炎 → 中等度歯周炎 → 重度歯周炎という順で少しずつ進行していきます。
そのため、どの段階にあるかによって治療の方法も変わってきます。
初期の段階で見つかれば、比較的シンプルな治療で改善が見込めますが、進行するにつれて治療は複雑になり、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。歯を残すためにも、早めの対処がとても大切です。

【歯肉炎・軽度歯周炎】初期段階の治療法(歯周基本治療)

プラークコントロール(適切なセルフケアの習慣づけ)

● プラークコントロール(適切なセルフケアの習慣づけ)

歯周病治療の基本は、適切なセルフケアです。(歯磨きではありません)
歯周病の治療・管理における、8:2という数字があります。8割は日々のセルフケアによって、残り2割は歯科医院の施術によってという意味で、歯科医院で何をするかよりもご自宅へ戻られてからご自身でどれだけ管理できるかの方が重要ということです。万能なセルフケアは存在しません。当院では一人ひとりの特性に合わせた持続可能なセルフケアの方法を一緒に探し、実践できようサポートいたします。
具体的には食生活習慣、ブラッシング、歯間清掃の確認、練習、自宅でのケアの評価とアドバイスが主体です。

とりあえず食後に歯ブラシでゴシゴシといった間違った“歯磨き”は歯や歯ぐきを傷めます。傷ついた歯ぐき、削れた歯は戻ってきません。歯ブラシは使い方を誤れば凶器になります。
必要なのは「歯を磨く」のではなく「歯垢(プラーク)を落とす」ことです。

スケーリング・ルートプレーニング

● スケーリング・ルートプレーニング

セルフケアでは取りきれない歯石や、歯ぐきの奥(歯周ポケット)に潜む汚れを、専用の器具で丁寧に取り除きます。
この処置によって、歯周病菌の繁殖を防ぎ、進行を食い止めます。
軽度だけでなく、中等度の歯周病でも行われる大切な治療です。

※ 歯石の程度により術後歯が浮いた感じや一時的な知覚過敏症状が出る場合があります。

【中等度歯周炎】外科的処置が必要になることも

フラップ手術(歯周外科手術)

通常の処置では届かない深い場所の汚れや歯石を取るために、歯ぐきを一時的に開いて歯の根元までしっかり見える状態にし、徹底的に清掃を行います。
この手術によって、歯周ポケットが浅くなり、再発のリスクを抑えることができます。

【重度歯周炎】歯を守る再生治療

歯周病が進行し、歯を支える骨や歯ぐきが大きく破壊されてしまった場合には、「歯周組織再生療法」と呼ばれる治療を行います。これは、失われた組織の再生を促すことで、歯の保存を目指す高度な治療です。

GTR法(組織再生誘導法)(保険適用外)

特殊な人工膜(メンブレン)を使用し、骨の再生に必要なスペースを確保することで、自然に組織が再生する環境を整えます。

エムドゲイン法
(保険適用外)

エムドゲインゲルという、天然のタンパク質からできた薬剤を使用して、歯ぐきや骨を再生させる方法です。

リグロス法
(保険適用)

再生を促す「成長因子」が含まれた薬剤(リグロス)を使うことで、失われた組織の回復を助けます。
特に歯周ポケットが深いケースや重度の方に効果が期待されます。

歯周組織再生療法は歯周病の病状や骨の状態によって適応症、難易度が異なります。
術前の適切な診査・診断が不可欠です。 また、喫煙習慣のある方、プラークコントロールができていない方はこれら治療法の対象にはなりません(治療効果の期待値が低い)のでまずは禁煙の達成と歯周基本治療をしっかりと行いましょう。

何よりも予防が大切、家族全員でのケアが重要

歯周病の「治療」方法としてこれまで紹介してきましたが、実際には病気の進行を停止させ、これ以上進めないための方法であり、完全に元通りにすることは出来ないのが現実です。年齢とともにその危険度や重症度は増加していく傾向があります。歯周病を発症、悪化させない日々のセルフケアをより若い時代に身につけることは未来への投資となります。
また、歯周病は夫婦間や家族間で伝染、感染する病気と言われています。自分にとって大切な存在を守るため、家族ぐるみで治療、予防していきましょう。
歯周病がなぜ起こるか、その原理を知ることが予防への近道です。何も考えずただ「歯磨き」することから、適切なセルフケアを知り、賢く予防していきましょう。